幸せなラグビーの風景
先日、渋谷インターナショナルラグビークラブ(SIRC)の活動を見学させていただきました。
見学では、クラブ創設に尽力された徳増浩司さんが終始付き添って、丁寧に活動や理念を解説してくださいました。
※写真は撮影・掲載の許可を事前に取っています。
このクラブは日本の小中学生とインターナショナルスクールに通う外国人の子供達が一緒にラグビーを楽しみながら、国際的なコミュニケーションを深める取組みをしています。コーチは基本的に簡易な英語を使って指導します。コーチの国籍も「イングランド」「ウェールズ」「スコットランド」「フランス」「南アフリカ」「NZ」「オーストラリア」など多彩です(ティア1の国ばかり!)
まず見学して第一印象は「楽しそう!」ということでした。その楽しさを支えているのが、コーチの方々の意を凝らした多彩な工夫です。
幼児クラスでは、おとぎ話の金太郎の話を読み聞かせ、熊と相撲を取る寸劇、そして子供が熊と相撲をとるという内容にまず驚きました。これも外国籍のコーチが自ら工夫して考えたとのことです。子供の積極性、チームビルディングなどが楽しんで身に付きそうなプログラムでした。
また、練習ではボールを繋ぐ楽しさを重視しているようでした。そして、コーチは「教える」というより「サポート」と「アドバイス」に徹しているのが、特徴的でした。印象的だったのは小学生の子供たちがタグラグビーの試合の合間に、自分達で攻撃の方法を考えて練習していたシーンでした。この年代で自分達が工夫する楽しさが体感出来たら、ラグビーがより好きになるだろうな、と思いました。
また、タックルも時間をかけて正しい方法を、丁寧に何度も繰り返し体感するようにされていました。正しくタックルを学ぶ、というのはコンタクトスポーツであるラグビーにとってはとても大事な事です。
全般的に、コーチの方々の情熱の素晴しさを感じました。そして、教えることを楽しんでおられるのが、伝わってきました。あるコーチはコンタクトバックを自ら調達してきたり、あるコーチは自分でホワイトボードを用意したり、各コーチが独自の工夫をされていました。子供とラグビーが好きなコーチに囲まれた子供達はとても幸せに見えました。
この日は、偶然父親の仕事の関係で日本を離れる男の子の最後の練習でした。本当に仲間と別れるのを惜しむように、大粒の涙を流しておりました。
後日、徳増さんのSNSで彼の言った言葉
「このクラブは僕にとって家族みたいなものでした」
という言葉を紹介されていました。
人のつながりを大切にするクラブ理念の浸透を感じました。
ラグビーとその競技の持つ「楽しさ」を改めて考える良い機会となりました。子供たちが末永くラグビーと関わっていくうえで、SIRCの取組みには多くのヒントが詰まっていました。
この見学を通して改めて「ラグビーの可能性」と「ラグビーへの動機」の大切さを感じ、スポーツメンタルコーチとして、更に幸せなラグビープレーヤーを増やしたい、という気持ちが高まりました。