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流れを変えたタックル

~2023年度高校ラグビー神奈川県決勝桐蔭学園の戦いより~

先日、神奈川県高校決勝の桐蔭学園VS東海大相模を観戦して、ふと思いついた「ラグビーと流れ」について書いてみます。「流れ」はスポーツメンタルコーチとしてはとても興味深いテーマです。流れの引き寄せが起きたシーンについてのコラムです。

桐蔭決勝

ラグビーと流れ

「流れ」という言葉はラグビーの試合で良く聞く言葉です。

 

流れを掴むことが試合を優位に進めるうえでは大事なことです。

しかし普段当然のように語られるこの目に見えない「流れ」って何なのでしょうか。

 

そんな「流れ」について考えるため、今回は高校ラグビーで偶然目にした「流れ」を変えたタックルを題材にしてみようと思います。

 

先日(2023年11月19日)ニッパツ三ツ沢球技場で行われた高校ラグビー神奈川県決勝「桐蔭学園VS東海大相模」を観戦したときのことです。

 

昨年は県決勝で東海大相模が桐蔭学園を下して、桐蔭学園の全国大会連続出場を7回で止め、桐蔭学園が雪辱を期するために、この試合に1年間かけてきた思いは非常に強いものでした。

しかし、思いが強かったせいか、試合開始直後は固さが出て小さなミスもちらほら出ました。

 

しかし、前半9分45秒頃に東海大相模が6番-9番-10番-15番-14番とグラウンドを左から右に目一杯使って展開してきた時のこと。ボールを手に走る東海大相模14番の選手に向けて桐蔭学園14番古賀選手が放ったタックルが流れを変えました。まさに一発で「仕留める」という言葉が相応しいタックルで、相撲で言う「浴びせ倒し」に近いものでした。倒した後、東海大相模はノットリリースザボールの反則を取られて桐蔭学園はペナルティキックを得ました。

 

この一発のタックルで桐蔭学園のチームの空気が「いけるぞ」と高まりギアが入ったと思います。

その後、桐蔭学園は本来の強さを発揮して攻めまくり、終わってみれば最終スコアは桐蔭学園59-0東海大相模と桐蔭学園の圧勝となりました。

 

ひとつの鮮烈なタックルにより、チームの集団的無意識内で「いけるぞ」という共通認識が成されたと自分は解釈します

 

勿論、桐蔭学園が実力として総合的に上回っていたのは事実だと思います。しかし、思い切って実力を発揮して59-0のスコアを記録できた起点は、あの古賀選手のタックルではないでしょうか。

 

試合における気持ちの優位性

桐蔭学園は気持ちで優位に立つことの大切さを分かっているチームだと思います。

それの表れが、ある程度の点差でペナルティキックを得てもトライを狙わず、ゴールキックを選択して着々と加点するところに表れていました。

 

勿論、トライを取れば相手に大きなプレッシャーを与えることはできますが、トライを取るには比較的時間がかかります。その点ゴールキックは時間を要せず加点ができます。3点を確実に積み重ねていくことにより、相手にプレッシャーを与え気持ち的に優位に立つ利点を桐蔭学園は戦いの中で評価しているのだと思います。

 

以前、リーグワンのクボタスピアーズのSO岸岡選手が

「ラグビーはメンタルスポーツ」

と言っておりました。

ラグビーは気持の優位性を確保することが、勝敗への影響が非常に大きい競技特性を持っているという意味です。

桐蔭スコアボード

桐蔭学園の今後

試合後のインタビューで桐蔭学園の城央祐キャプテンが

「昨年の11月20日から・・・」というコメントをしていました。

昨年の敗退した11月20日にあった県大会決勝からチームとして何をすべきかを意識し、積上げてきたかが表れていたコメントでした。

 

勿論、古賀選手のタックル、ゴールキックの選択などひらめきで行った訳ではなくそこには、必然に落とし込むまでの練習やミーティングなどの準備の過程があり、積上げてきた準備の質の高さの結果だと思います。

 

年末の花園、全国大会で桐蔭学園が並み居る強豪校相手にどのように試合を優位に進める方策を繰り出すのか楽しみで目が離せません。メンタルコーチ目線で楽しみにしております。

神奈川桐蔭優勝ビジョン

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

ラグビーメンタルコーチ 杉村康之

 

〇この試合で途中出場した桐蔭学園LO西野誠一朗くんの体験コーチングの感想はこちらから

 

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