藤田塾2023夏合宿(in菅平)に参加して
~ラグビーとこころの向き合い方~
ラグビーの上達を目指す小中学生にスポーツメンタルコーチとしてセミナーを実施
ラグビーエリートアカデミー藤田塾の塾長藤田久和さんとのご縁により、菅平で開催される4日間の藤田塾夏合宿に三年前よりスポーツメンタルコーチとして毎年参加しています。
藤田塾は小学4年生から中学3年生までの少年少女ラグビープレーヤーが更なる高みを目指して集うエリートアカデミーです。この夏合宿で、スポーツメンタルコーチとして練習の終わった夜にメンタルの学びに関するセミナーを実施しています。また、日中は練習や練習試合に帯同し、塾生の練習に取組む様子やコーチの塾生への指導の観察を通じてラグビープレーヤーにおけるメンタルのあり方について学びを深めています。
今年は「小学生(高学年)」「中学生」を対象にそれぞれ1時間ずつのセミナーを実施致しました。
今回は以下の点に力を入れてセミナー構成を考えました。
・「心」に意識を向けると気づきがある、という感覚を味わうようにする
・質問をしてアンサーを出す、というプロセスを多く取り入れる
・話の中では選手達が興味を引くエピソードを多く用いて理解を促す
・グループの中の話し合いを多く取り入れて「話すこと」「聞くこと」が気づきにつながることを実感するようにする
なお、小学生、中学生共に伝え方としてこれまで考えてこなかった「心に注意を向けると行動に変化が起こる」ことが各選手に届くような言葉遣いをこころがけました。
そして、言葉遣いこそ噛み砕いて話しますが、手前みそですが、内容は大人のラグビープレーヤー対象でも遜色ないものであったと思います。これまで3年間実施してきて、塾生の向上心の高さ、ラグビーに向かう真摯さは十分に感じていましたし、塾長の藤田さんは「利他のこころ」や「感謝の気持ち」など心の大切さを常日頃説いており、塾生が内容を受け入れる素地は十分にあるという勝算がありました。なので、自分として体感を伴う大事な内容はセーブせずに伝えようと思いました。といった訳で、最近学んだばかりの3冊ぐらいの本からの知見も分かりやすく噛み砕いて盛り込みました。
当日のセミナープログラムです。
【中学生向けセミナープログラム】
1.「ネガティブ」な感情との付き合い方・・・とらえ方を習慣化する
2.自分は自分の味方でいよう
3.目標について
【小学生(高学年)向けセミナープログラム】
1.ラグビーと仲間
2.気持ちを意識する・・・「緊張」「不安」
3.自分の一番の味方になろう
4.振返りの仕方
また、両方のセミナーの中で、メンタルに向かう姿勢はフィジカルと同様に「継続による習慣化」が大事であると伝えました。
なお、セミナーでは受講生が興味を持つように、チーム名や選手名などの固有名詞を多く使うように心がけています。余談ですが、好きな選手を聞くと、やはり日本代表の選手が人気ありますね。中でも姫野選手の人気が高かったです。塾生はある意味同世代の中でも玄人なので、体張る姫野選手のプレーに共感を覚えるのでしょうか(勝手な仮説ですが笑)
実際のセミナーでは思った以上に5名一組のグループワークが盛り上がり、とても良い雰囲気で進行出来ました。そして説明しながらの「これは勝てるチームかな?」「どちらを選択するかな?」などの問いかけにも受講生たちは積極的に答えてくれました。
正直、今回はセミナー内容をまとめる過程と受講生の真摯な姿勢から自分の方がスポーツメンタルコーチとして学びになったと思います。アウトプットこそが真の学びに繋がることを自分自身再認識しました。
受講生それぞれのとらえ方
そして、後日談になりますが、セミナー翌日、夏合宿3日目に中学生による高校生との練習試合がありました。その練習試合の後、2人の選手から「緊張しませんでした」「大きな相手にもビビらず楽しく向かえました」とセミナーの内容を実践した報告がありました。正直嬉しかったですね。この時は3年間夏合宿でセミナーを継続してきて本当に良かったと思いました。ラグビー選手の支えになる、という自分のスポーツメンタルコーチとして達成したい夢が少し現実の形を成した気がして、更なる励みとなりました。
また、小学生の男の子の選手がセミナーの後に少し思いつめた表情で「話したいことがある」といって自分のところに来ました。自分の本当にかなえたい夢をかなえるための真摯な相談でした。この時思いました。純粋に夢を語ることって本当に人として忘れてはいけない大事なことですよね。人は経験を積むと夢が叶わない条件をいくつも並べるようになります。これってつまらないことだなあ、と思います。いくつになっても夢をかなえるために頑張るってすばらしいことだなあ、とその男の子に再認識させられました。これもスポーツメンタルコーチとして小学生の子に教えてもらった大事なことでした。
菅平の星空のもと、自分も持てる知見を最大限に発揮しつつ、コーチング手法を用いて噛み砕いた言葉でその選手にアドバイスをしました。帰るときには柔和な笑顔になっていましたね。「希望」を持てたのでしょうか。
この少年の真摯で澄んだ眼差しはスポーツメンタルコーチとして一生忘れないと思います。
その時
と心から思いました。
今回セミナーを受けた受講生たちが、このまま成長を続けて、冬の花園や秩父宮や国立でプレーしている時、今日のセミナー内容がふと胸に去来して何らかの形で選手の役に立てば良いなあ、と思っています。
今回もセミナーの中で、ラグビー憲章の「尊重」(Respect)について取り上げました。
そんな人として素晴らしい要素が詰まっている「ラグビー」と「ラグビー選手」が末永く幸せな関係を築くのを目標に、サポートを続けていきたいと改めて思い、夏空の菅平を後にしました。
※「体験メンタルコーチング」で自分を知るきっかけとなります。
※メンタルの基礎と向き合い方をメール配信でお知らせ致します。
よろしければ下記の案内、ブログ、SNSもご参照ください。
○クールダウントークの案内
※競技を続けていてモヤモヤ感を持った時、気持ちの整理をするためのスポーツメンタルコーチの対話術を駆使した1対1のセッションの案内です。
クールダウントークの説明はこちらから
○関連ブログ
「ラグビーとメンタルコーチング」
ラグビーとメンタルコーチング (regain-yourself.com)
○SNSリンク
Instagram ※ラグビー選手の想いを発信しています。
https://www.instagram.com/yasuyuki.sugimura/
Twitter① ※ラグビーのある生活をスポーツメンタルコーチとしてゆる~く発信しています。
https://twitter.com/sugiyasu_rugby
Twitter② ※メンタルについて日常やスポーツで自分が体感した考え方を発信しています。
https://twitter.com/sugimura_smc