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ラグビーの天理、サッカーの国見の改革について

ラグビーの奈良県天理高校とサッカーの長崎県国見高校、共にかって全国制覇をなしとげた名門校です。しかし、近年の戦績は厳しい状況が続いてきました。そんな天理高校と国見高校で変革の波がやってきました。この変革には今後の高校スポーツのあり方を考えるうえで示唆に富んだ内容が含まれています。そこで両校の改革をメンタルコーチ目線で解釈し、今後の高校スポーツ、ひいては日本のチームスポーツを考えるうえでの大事なポイントについて述べてみたいと思います。

サッカーボールとラグビーボール

厳しく鍛え上げるから自主性へ

 

2022年度の高校ラグビーと高校サッカーの全国大会でそれぞれ注目した出場校があります。

その出場校とは、ラグビーの天理高校(奈良県)で、サッカーの国見高校(長崎県)です。

天理高校は準決勝まで、国見高校は3回戦までコマを進めました。

全国大会に天理高校が戻ってくるのは4年ぶり、国見高校が戻ってくるのは実に12年ぶりでした。

両校ともにこれまでの戦績と出身の選手は輝かしい歴史を誇りますが、ここ最近は厳しい展開が続いていました。

かっての両高校には、共通点がありました。それは日本有数の厳しい練習と寮生活により、選手を律して鍛え上げるスタイルであったという点です。

そして、今回両高校ともに、チーム方針を「生徒の自主性を重んじること」に劇的にシフトして復活を遂げました。そして、その考え方のシフトには両校の指導者の思い切った決断がありました。

 

変革への契機

 

天理高校の変革の契機は2021年度の奈良県決勝で、ライバルの御所実業に先制され、流れを変えられずに敗れたことでした。高校ラグビーの奈良県代表は天理が指定席でしたが、ここのところ10年では8回御所実業高校が決勝戦で天理高校を破り、奈良県代表となっています。天理の松隈孝照監督は、決勝戦の敗戦の後、悩んだ末に新しいチームの運営を選手に任せることにしました。それを受け入れた選手たちは自分達で試行錯誤しながら、練習を初めとしたチーム運営をし、決勝で御所実業高校を破って花園の全国大会に戻って来ました。

一方、国見高校の変革は、2017年4月に同校OBの木藤健太監督が着任したのが契機でした。いざ母校に戻ると、丸刈りであいさつは丁寧にする文化は残っていましたが、選手が何も考えず、漫然とボールを蹴っており、このままではいけないと危機意識を持ったということです。そして、木藤監督が求めてきた「自主性」が徐々にチームに浸透して結果につながりはじめ、今回の全国大会出場までに至ったとのことです。

 

変革へのエネルギー

天理の松隈監督、国見の木藤監督は共にチームの強い時代のOBであり、その時代の厳しい文化の中で育ち、結果を残してきました。しかし、その以前からの決め事にこだわらずに、思い切ってチームの風土改革に着手し、今回の結果に至りました。

両監督は「勝利」「人間的成長」という目的を達成するために、「変える」ことを選びました。組織において「変える」ことは非常にエネルギーを要することです。しかし、両監督の目的達成への動機の高さこそが、変革を実行する原動力となったと思われます。

 

現状維持ではなく変革へ

心理的に言えば、人には得てして「今まで通り」を良しとする「現状維持バイアス」というとらわれがあります。これは、しばしば個人や集団的には組織の変革を阻害する要素となります。特に以前結果を残してきた組織の改革には、かなりの決断と勇気、更には労力を必要とします。時にはその成功体験が邪魔をして時間経過による環境の変化に追従できず、結果を出せないこともあります。

 

そのような中で、改革に取組んだ松隈監督、木藤監督は共に強い信念と、現状を冷静に見る目を兼ね備えていました。それは、チームの有り方において以前の強みに縛られず、現状を見据えて合理的な選択をしたと言えます。

 

もちろん、今回の結果は監督の意志だけではなく、選手が日々自主性を身に付ける努力を重ねてきたこと、周囲の賛同者なども見逃せない要因です。さらには、監督についても、その後の実行面におけるマネジメント、忍耐力を持った取組みなども重要であったとおもいます。

 

とは言え、両監督の意志の高さが元々の引き金となっているのは事実です。

 

「変える」ということへのチャレンジ

人は誰しも潜在意識下に「変える」ということに抵抗があります。それは人の脳にある「元のところにいた方が命の危険が少ない」という特性から出てきます。しかし、得てしてこれが、変革や挑戦をためらわせる原因になります。

 

メンタルコーチングでは、1対1のセッションで、対話によって心の中の動きを探り、ためらいなどを生む心の捉われを特定し、目的までのプロセスを冷静に進むお手伝いをします。

興味ある方は是非とも一度、体験コーチングを受けてください。メンタルコーチングの意義が体感できると思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポーツメンタルコーチ 杉村康之

 

 

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